揃ったピースと、店舗探しの壁
この報告を聞いて、自分の直感と判断が間違えない事を確信した。
早速、津野さんには令和6年1月8日に事務所に来てもらい、ステーキ事業への参画と、ステーキ事業の経営主体となる私の別会社である「有限会社ワイエフ調査企画」への入社の確約を得た。
これで、事業化に必要なピース(業態、人材、資金)は全て揃った。2月1日から津野さんにはGOLAZOへの1カ月間の現場研修と開店準備が始まる。
次なるタスクは店舗探しである。 場所は木場駅か東陽町駅周辺に絞って探す事にした。業態から考えてラーメン店の居抜き物件で十分と考えていたが、これが中々見つからない。
ここで、事務所の顧問先で永代通り沿いの木場駅と東陽町駅の間で事業を営む経営者から、「いつ廃業して賃貸しても良い」という話をされていたのを思い出した。
一から内部造作を作る必要はあるが、滅茶苦茶目立つし立地的には最高です。坪数も店舗の形も申し分ない。しかし、現場を見てもらって内装の見積を聞くと、耳を疑うような金額で断念せざるをえなかった。
店舗探しがまた、振出しに戻ってしまった。
灯台下暗しの物件と、立地の懸念
その後、津野さんから物件情報が寄せられた。事務所から徒歩1〜2分程度の距離である。
現在は空き店舗になっているが、それまでは焼肉屋が営業していたとの事で、内装工事をしなくてもそのまま使えるとの報告であった。条件は悪くないが、一つこの物件については大きな懸念があった。
それは、店舗の周囲はマンションは多いが、殆ど人通りがないのである。
果たしてこの立地で開店して集客できるのか? 木場駅と東陽町駅の丁度中間で交通の利便性は良くない。時間をかけて訪れるような業態でもない。地元の店舗から徒歩5分以内で来れる方が主要な顧客層になると想定している。
そのターゲットに対して、どのように訴求していくか。
救世主の参画
この問題を解決するのに、真っ先に頭に浮かんだ人物がいた。
以前に阿久津事務所ファミリーの加藤隆太君から紹介されていた、木下りささんという女性経営者である。関西人で、一度拒絶されても挫けることなくガンガン内部に入っていけるエネルギーと、精神的タフネスさを併せ持っている逸材だと思っている。
彼女の生い立ちを出生から聞いていると、相当な厳しい環境で揉まれながら育っている。
幼少期の困難な状況は成長してからの人格形成に暗い影を落とすと思っているが、彼女からはその暗い影が全くと言っていいほど感じられなかった。そこに私は非常な魅力と可能性を感じていた。
一度地獄を味わってそこから這い上がってきた人間は強い。ちょっとやそっとでは挫けることもないし、粘り強く対応する事が出来る。彼女に今回のステーキ事業の営業担当になってもらえるか打診したところ、快く快諾してくれた。
税理士の神様と、不退転の決意
事業に必要なメンバーは揃った。しかし、唯一つ私の心の中で不安が残る。
私は自分の人生の全てを、税理士という資格と仕事に捧げた人間だ。諸々の事情があるにせよ、税理士以外の事業に手を出す事になった私を、税理士の神様は果たして許してくれるだろうか。
不安は尽きないが、意を決して令和6年4月22日、店舗の正式契約を締結した。
もう後戻りはできない。最善を尽くすしかない。